レゴシリアスプレイは、MITメディアラボのシーモア・パパート教授が提唱する教育理論「コンストラクショニズム」に基づいて、2001年に元LEGO社の教育事業部門開発責任者、ロバート・ラスムセン氏が開発しました。「コンストラクショニズム」というのは、「手と脳は互いに連携を取り相互に信号のやり取りをしながら新たな知識を構築する」という考え方です。レゴシリアスプレイでは、個人が内面に秘めている価値観や志、ビジョンなどをレゴブロックというツールを使って表現し「可視化」させます。頭だけでなく手を動かすことによって右脳を活性化させる効果が認められています。

レゴシリアスプレイは、近年では企業の社員研修、例としてNASAやGoogleなどの有名企業も導入している注目の研修メソッドで、AERAにも掲載されました。これまでの会議や研修の場では、その多くは「80-20の原則」と呼ばれるものとなっていました。すなわち、出席者の20%のメンバーが80%の時間を占有して話すというもの。レゴシリアスプレイではその原則を打ち破り、全員参加・表現型の研修メソッドを提案しています。

実際に研修で行われる具体的なレゴシリアスプレイの流れを紹介しましょう。

レゴシリアスプレイは、ファシリテーターという研修をリードする講師のもとに行われます。まずは、このファシリテーターが社員研修の内容に合った問いとして「お題」を出します。受講者はそのお題で導き出された脳内のイメージをレゴブロックを使ってカタチにしていきます。この時の、レゴブロックのパーツの選択をする段階で右脳が活性化され、さらにそれらを手を使って組み立てることで記憶に深く沈着します。つまり、レゴブロックを介して右脳と左脳の双方アプローチで考えることができるのです。

次に、できあがった自分の作品を説明します。自己表現のモデルであるレゴブロックの作品を用いて、自分が表現したかったものや気持ちとはどういうことかを言葉で表現するプレゼンテーション力が身に付きます。

さらに、個々の作品の発表だけにとどまらず、参加者の作品たちをマッピングします。マッピングとは、作品の関係性などをつなげること。ビジョンが近いもの、あるいは妨げるものなど。それぞれが作品について十分に説明し、他の参加者が質問をするなどによって理解を深めていないとマッピングがうまくいきません。ファシリテーターの力も借りながら、参加者の深いレベルでのやりとりが行われることによって、各自が思い描いているそれぞれの想いをつなげて、チームとしてこれからの進むべき方向を確認します。

レゴシリアスプレイによって得られたお互いの認識を知り、気づき・学びを全員で共有することでチームの一体感が高まるのです。

尚、当社の研修講師 中村一彰は、Lego Serious Play®の開発者であるロバート・ラスムセン氏より直接トレーニングを受けた公認ファシリテーターです。